親孝行のカタチ

2ヶ月ぶりに母と会った。 

2駅ほどの距離に住んでいると、いつでも会えるからと、ついつい予定を先延ばしにしてしまう。

母は74歳。もう。そんなに。

気がつけば祖父母が亡くなった歳を超えている。

そう思うと、会えるときに会わねばと変に焦ってしまう。

月イチ数時間会うだけでも、親孝行になるのかな?なんて毎回思うこの頃。

ここ一年は、会えば必ずお蕎麦屋さんへ。

待ち時間に写真を撮るわたし。

母の足元は真っ白なスニーカー。

わたしのスニーカーより綺麗だったのが、なんだかとても安心した。

頼むのはふたりして毎度同じ鴨せいろ。

一度ハマると、飽きるまで食べ続けてしまうわたしの仕様は母譲りだ。腹ぺこな母はおにぎりも。

鴨せいろを食べながら、母は仕事のことや近所の人のことを話していた。

でもたぶん一番話したかったことは、3ヶ月前にあげたスマートウォッチのことらしい。

万歩計やちょっとした健康管理にとスマートウォッチをプレゼントしていた。

74歳でスマートウォッチをなんなく使いこなしている母を友人が褒めてくれたらしい。

うん。かなりご満悦なご様子。良いんじゃない。

昔から機械には強い母だったので、なんら不思議ではないけれど、一般的な74歳にしては凄いことなのかな。

2ヶ月ぶりだからか母の話が止まらない。

ゆっくりと話を聞くことも親孝行だと思っているので、“ちゃんと聞いてるよ感” はとても重要だ。

ちなみにわたしは、口下手の人見知り。

さすがに母に対して人見知りは発動しないが、話はするより聞く派なのでこの感じはすごく楽ちん。

食事の後は、運転手として母の用事のお付き合い。

このあと、仕事中に歪んでしまったメガネを直しに行きたいと。

祖母のメガネのフレームを再利用

満腹になって店を出た。

母のシャツには謎のクマキャラ。

古着屋に行って購入したらしい。今日は大目に見よう。

わたしは毎回、食べたいものをリクエストをしている。

今回は、ボンゴレ。(秋冬限定)

ちなみに春夏はミートソース。

母のボンゴレスパゲティは絶品だ。

いつもリクエスト以外にもたくさんのお土産を持たせてくれる。

これでは、親孝行のつもりが、逆に大変な手間をかけさせてしまっている気がしていた。

以前、そんな気持ちを伝えたとき「そんなことは気にしなくていい」と強めに言われたので、それからは触れないことにしている。

美味しく食べる。これも親孝行なのだろう。なんて都合よく考え有り難く頂くことにした。

じゃあまた来るよ。と握手し家を出た。

あぁ、、また、そっけなくしてしまった。

でも母は分かってくれていると思う。これがわたしなのだと。

帰りの車から見た空は、いつもより高く良い香りがした。

良い香りの出処は隣の席のボンゴレね。

明日はボンゴレ食べよう!

ありがとう。

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