Leica Q2を使ってるけれど、実のところカメラの知識はほんのり程度しかない。
F値、シャッタースピード、ISOもなんとなくでやっちゃってる。
今までの、「なんとなく自分にとって良い写真」はQ2のおかげ。私の腕じゃない。
でも、それでいいと思ってた。
なぜかといえば、写真を撮るよりも、それ以上にカメラそのものが好きだから。

金属の質感とか、レンズの動く手応えとか、ファインダーを覗いたときのあの没入感とか。
そういうのが、なんというか、ただただ心地いい。
だから、出かけるときはバッグにQ2をそっと忍ばせて、なんでもない道を歩きながら「今日は撮る日かな、愛でる日かな」なんて考えたりして。
たとえ写真を一枚も撮らなくても、「今日もQ2と一緒にいたなあ」と思えるだけで、なんだか満たされた気分になる。
だから私は写真というより、カメラが好きなんだと思う。
なのに、「趣味は?」と聞かれると、つい「写真です」って答えてしまう。
本当は、写真というより“カメラが好き”なのに。

カメラを眺めたり、磨いたり、首から下げて歩いたり、そんな時間が一番好きなのに。
でも「カメラを愛でるのが趣味です」と言ってしまうと、「え…..?」って相手の戸惑ってる感じが分かるから、つい「写真です。」と答えてしまう。
でも、「写真です」と答えるたびに、ちょっとだけ後ろめたさを感じる。
写真って言うからには、もっとたくさん撮って知識もなきゃいけない気がして。
だから、「最近、写真撮ってるんですか?」と聞かれたら、「うーん…まあ、ぼちぼち…」と、曖昧な返事でやり過ごす。
カメラ好きをごまかす自分がちょっと情けなくなる時もあるけど。

でも最近、少しだけ気持ちが変わってきた。
なんでもない日常の一コマが、ふとした瞬間に胸に残るようになってきて。
「あ、この感じ、撮っておきたいな」と思うことが増えてきた。
それでようやく、「ちゃんと写真、やってみたいな」と思い始めたところ。
Q2と一緒に過ごしているうちに、少しずつ写真も好きになってきたのかもしれない。
Q2と出会って4年。こんなに持ち歩いてるカメラは今までにはない。
最近は、出かけたときは少しだけ日常をスナップしてる。写真の始め方なんてよくわかんないけど、とりあえず“楽しい”が正解ってことで。
これからもちゃんと写真を撮るかどうかは、まだまだ気分次第だけど、とりあえず外に出る。
今日もバックにQ2をしのばせて。
